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MPEGにおける早送りと巻戻しの違い

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最終更新日2017/08/22 投稿日2017/08/22

世の中せっかちで、早送りしたり、巻戻ししたりしますね。

デジタルの世界だと過去と未来の行き方が異なります。

デジタルデータにおける映像データ構造

超簡単に言うと、デジタルにおいて昔のアニメ同様、パラパラ漫画的構造です。 ただし、データ量を少なくするために 未来のことを予測したり、パラパラ漫画1枚ずつの『間』を予測し、差分データ的扱いとして保持しています。

パラパラ漫画1枚ずつの定義は、H.264や265といった規格において3つあります。

  • Iピクチャ(Intra Picture):パラパラ漫画1枚ずつそのままのデータ
  • Pピクチャ(Predictive Picture):過去のIピクチャとPピクチャから予測したデータ(過去はこういう動きだから次はこうなるだろうなーというデータ)
  • Bピクチャ(Bidirectionally Predictive Picture):パラパラ漫画の間を予測したデータ(過去と未来のIとPから予測したデータ)

MPEGのデータ階層構造のピクチャの話をしています。(MPEG6階層構造)

  • シーケンス
  • GOP(Group of Pictures)
  • ピクチャ→ココの話
  • マクロブロック
  • ブロック (実際はI・P・Bのスライスといったことがありますが…)

3つのピクチャの並び順と作られ方

  • 一般的な並び順 I→B→B→P→B→B→P…I(1)→B(2)→B(3)→P(4)→B→B→P→B→B→P…I
  • 作られ方 (4)は、過去のIとP、(1)から予測して作ります。(差分のみ) (2)(3)は、(1)と(4)から予測して作ります。(差分のみ) ①を作る間隔を増やすことはもちろん可能ですが(I-VOP間隔マシマシ)、データ量が増えます。

(MPEGにおける)早送りと巻戻し

  • 通常再生 I → B → B → P → B → B → P → B → B → P…I

  • 早送りー I → P → P → I → P → P → I

  • 巻戻しー I ← I ← I ← I

MPEGの仕様として、 早送り・巻戻しは、Bピクチャを飛ばします。(過去・未来のピクチャが必要なため) 早送りは、IピクチャとPピクチャを利用できます。 巻戻しは、Pピクチャを利用できません。(Pは過去のIとPからしか作れないため) 早送りの方が細かく進めるのです。 3~4段階くらいですか、送り・戻しの速度を変更することができますね。 ピクチャや上位レイヤ単位で飛ばしている間隔が異なります。 早送り・巻戻し、してみてください。

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