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あなたのRAGは本当にAgentic Searchにすべき?

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岩田
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最終更新日2026/04/01 投稿日2026/04/01

概要

先日、Claude Codeの開発者であるBoris Cherny氏が「RAG+ローカルベクターDBを使っていたが、Agentic Searchの方が良いと分かった」(Xのポスト)と発言しました。
そして、この発言からClaude CodeはRAGを捨てて、Agentic Searchに乗り換えたと騒がれています。

ただし、注意したいのはRAGが不要になったという話ではないということです。 RAGとAgentic Searchは使い道が異なり、今回のClaude Codeの件ではAgentic Searchが適していただけです。
本記事では、RAGとAgentic Searchはどのように使い分けるのが良いかを整理します。

RAGとは

RAG(Retrieval-Augmented Generation)とは、データベースから必要な情報を検索し、それをもとに精度の高い回答を生成する技術のことです。 検索(Retrieval)機能を拡張(Augmented)し、質の高い回答を生成(Generation)可能にすることから、それぞれの頭文字を取って「RAG」と呼ばれています。

詳しく知りたい方は、以前私が執筆したLibreChatベースのサービス開発で学んだRAGとRAG API入門を読んでみてください。

Agentic Searchとは

Agentic Searchとは、LLMが検索の計画/実行/評価/再検索を自律的に繰り返しながら、最終的な回答を組み立てる検索アーキテクチャです。

Agentic Searchを用いて、LLMが回答を生成するイメージは以下のようになります。

Agentic Searchのイメージ図

RAGに対し、Agentic Searchでは「その情報で本当に十分か」、「別の観点から追加で調べる必要はないか」という評価が入ることで、複雑な質問に対して精度の高い回答を生成できるようになります。
このような違いからAgentic Searchは、RAGの強化版と言われることがあります。

またAgentic Searchは、単に再検索を行うだけではありません。
検索時にgrepのような全文検索を使用したり、ファイル全体を読んだり、Web検索やAPI呼び出しを組み合わせたりしながら、状況に応じて探索方法を切り替えるという特徴があります。
これは人間が「ディレクトリを見て、怪しいファイルを開き、違ったら戻って別の手がかりを探す」といった調査を行うのに似ています。

RAGとAgentic Searchの違い

両者の違いは、回答を出すまでの探索の深さによってもたらされる精度の違いにあります。

基本的なRAGは、ユーザーの質問に対して関連情報を一度の検索で収集し、その結果をもとに回答を生成するため、取得した情報が十分でない場合でも、そのまま回答を生成してしまいます。
一方、Agentic Searchは検索で収集した情報で質問に正確に答えられるかを評価し、必要に応じて追加の検索を行ってから回答を生成するため、RAGよりも精度が高くなる傾向にあります。

ただし、「常にAgentic Searchの方が優れている」わけではありません。 シンプルな質問ではRAGで十分なことが多く、速度やコストの面でもRAGの方が優秀です。 しかし、何回も検索が必要な複雑な質問に関してはAgentic Searchのほうが回答精度は高くなります。

RAGとAgentic Searchの使い分け

では、RAGとAgentic Searchはどのように使い分ければ良いのでしょうか。

基本的には、まずRAGを使ってみるのが良いです。
RAGは応答速度が早く、コストも安価なため、一度の検索で必要な情報にたどり着ける環境であれば十分と言えます。
一方で、「質問が複雑で、1回の検索では必要な情報が揃いにくいようなケース」や「RAGを使用しているが、期待している回答を生成できないケース」があります。
その際はAgentic Searchを使用するのが良いです。

結論としては、まずはRAGで運用を始め、回答精度に課題が見えた段階でAgentic Searchへの移行を検討するという段階的なアプローチが現実的です。

まとめ

RAGとAgentic Searchは、どちらか一方が優れているというものではなく、状況に応じて使い分けるべき技術です。
どちらを使用するか迷った際は、まずRAGから始めて、回答精度が悪いと感じたらAgentic Searchへの移行するのが良いと思います。
RAGとAgentic Searchの特性を理解し、ユースケースに合った選択をすることが重要です。

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参考文献

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