「読み手につたわる文章 - テクニカルライティング」をABDという方式で輪読会しました

テクニカルライティング, 輪読会

全国100万人の輪読会ファンの皆さんこんにちは。iOSアプリ開発グループの河野です。
今期、iOSアプリ開発グループではメンバーの技術的な知見の向上やアウトプットの習慣づけることに注力しています。今回はその一環としてABD(Active Book Dialogue)という手法を用いてテクニカルライティングをテーマに輪読会を実施しました。今回はレポートとして、こちらの記事を公開します。

背景

iOSアプリ開発グループでは、テクニカルライティングのスキル向上に向けた取り組みを行っています。テクニカルライティングは技術的な文章を分かりやすく効果的に伝えるためのスキルで、アプリ開発に限らずあらゆる業務においても重要だと考えています。これまでもiOSアプリ開発グループでは、週次で実施している事例共有の時間でテクニカルライティングに関する知見を共有したり、対外的な記事を公開する際にはコードレビューと同じような体制でグループ内レビューをするなどして、人に伝えるために正確で効果的な伝え方のトレーニングを行ってきました。

今回はテクニカルライティングについて改めて振り返る機会として、mochikoAsTechさんの読み手につたわる文章 – テクニカルライティングという書籍を題材にグループ全員でABDという方式の輪読会を実施しました。

ABD (Active Book Dialogue) とは、その場で参加者全員で分担し、1冊の本を分割して読んでいく輪読会の手法です。

今回は

  • 予習がなく当日だけで完結するため、ファシリテーター・参加者の負担が軽い。
  • 会のフローに参加者間の対話が組み込まれており、理解が深まる。

などの理由でABDの方式を採用しました。

ABDの進行方法

ABDの具体的な進行方向はアクティブ・ブック・ダイアローグ協会が公式マニュアルを公開しています。詳細な説明は割愛しますが、大まかに以下のような流れで会を進行します。

  1. オープニング
    • チェックイン (1分 × 人数):参加者が自分の名前と今気になっていること、感じていることを共有します。
    • オリエンテーション (10分):企画趣旨、本の選定理由、全体の流れの説明や参加者の担当部分の割り振りを行います。
  2. メインセッション
    • サマライズ (30~60分):各自が担当部分のサマリーを作成し、B5用紙2~3枚に要約してまとめます。
    • リレー・プレゼン (2~3分 × 人数):各自がサマリーを発表し、参加者全員が概要を掴めるように内容を共有します。
    • ダイアローグ (30~60分):リレー・プレゼンの内容を受けて参加者全員で分からない箇所を質問したり、日頃の業務と絡めながら振り返るなどしてディスカッションを行います。
  3. エンディング
    • チェックアウト (1分 × 人数):参加者が感想や今の気持ちを共有して終了します。

当日の様子

サマライズで黙読している様子
サマライズで黙読している様子

リレー・プレゼンのために向けて各自でまとめた紙を貼り出す

リレー・プレゼンのために向けて各自でまとめた紙を貼り出す

リレー・プレゼン

リレー・プレゼン
リレー・プレゼン

リレー・プレゼン一巡した後に各自パートについて議論するダイアローグの様子
リレー・プレゼン一巡した後に各自パートについて議論するダイアローグの様子

結果と参加者の声

普段、リモートワークで勤務することが多いので、グループメンバー全員が一堂に介して1つのトピックについて対面で議論する機会を作れたのはチームビルディングの観点でも良い効果があったのではないかと思います。

参加者からも

  • 短時間で本の全体像を掴むことができ、事前準備が不要で参加しやすかった。
  • 時間内に要点を絞って読むことに集中でき、緊張感を持って取り組めた。
  • 他のメンバーの視点を知ることで新たな発見があり、全員で話し合う時間が全体像を整理するのに役立った。

というふりかえりがありました。

また、前半の発表内容を忘れがちになるので、事前に付箋を用意した方が良さそうというコメントもありました。次回実施する場合はここの部分も改善できればと思います。

さらに、ファシリテーションの立場からも当日使う筆記具と担当の割り振りを事前におおまかに決めておくくらいの準備で輪読会を完結できたのが、とても良かったです。今後、回を重ねていく上でも誰でも負担なく準備と仕切りができるという点ではABDはとても効果的な手法だと感じました。

まとめ

ABDでの輪読会で参加者全員の負担を軽減しつつ、効果的な学びの場を提供することができました。今後も定期的にこのような輪読会を開催し、メンバーのスキルアップを目指していきます。

参考