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【保存版・プロンプト付き】プロンプトエンジニアが送る、”その人らしさ”を残すAI文章添削術

齋藤 好佑
齋藤 好佑
最終更新日2025/11/26 投稿日2024/12/08

レコチョク Advent Calendar 2024 の8日目の記事となります。

【保存版・プロンプト付き】プロンプトエンジニアが送る、”その人らしさ”を残すAI文章添削術

こんにちは、齋藤です!

私は、株式会社レコチョクで『音楽の配信運用』、『社内インフラ』、『社内IT関連のサポート』のマネージャーをしながら、『AI関連のプロジェクト』で作業者としても活動しています!

個人的な話ですが、趣味でフェスやライブに行くことが好きなのですが、 最近、Maroon5、Oasisの日本公演が決まってチケットを応募しましたが、全滅してしまいました…。 同じ趣味のユーザが多くてうれしい反面、行けないことによるショックが隠し切れません。 ショックを引きずりながら記載していますが、ご了承ください( ノД`)シクシク…w

では本題に移っていきたいと思います…!! 私たちの部署では、社内外とのコミュニケーションが多く、日々さまざまな文章でのやり取りを行っています。 その経験から生まれたAI文章添削のプロンプトについて、今回は共有させていただきます。

きっかけ

普段メールやチャットでのコミュニケーションって、結構悩みませんか? 特に新人エンジニアの方は、「これって正しい書き方なのかな」「もうちょっと良い表現があるんじゃないか」と 考えることも多いのではないでしょうか。

そこで、AIを使って文章添削ができないかと考えてみました。 ただし、ありがちな「形式的な文章」や「誰が書いても同じような文章」にはしたくなかったんです。

どんな課題があったか

LLM(ChatGPTやClaude)に「この文章を添削して」って言うと、こんな感じになっちゃうんですよね:

🤖 文章が固くなりすぎる

例:「拝啓
貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、本件についてご連絡申し上げます...」

こんな風に、いきなり堅苦しい文章になっちゃいます。

👤 個性が消えてしまう

Before:
「システム重くなってて困ってるんだけど、見てもらえる?」

After:
「システムの動作に遅延が発生しており、ご確認いただけますでしょうか。」

なんだか誰が書いても同じような文章になっちゃうんですよね。

💬 ツールごとの特徴が活かせていない

Teams用の文章なのに...
「ご担当者様

下記の件につきまして、ご確認いただけますでしょうか。」

メールみたいな書き方になっちゃって、ちょっと違和感。

要するに、AIに任せっきりにすると「形式的」で「没個性的」な文章になりがち。 でも実際のビジネスの現場って、もうちょっと柔軟じゃないといけないと思うんです。

だから、「必要な情報はちゃんと入ってる」けど「その人らしさは残る」、 そんなバランスの取れた添削ができないかなって考えてみました。

どうやって解決したか

まずは通信手段を整理

実は社内でもツールによって書き方って変わるんですよね。

  • メール:フォーマルな構造重視
  • Teams:構造化された文章で見やすく
  • Slack:ハッシュタグやスレッドを活用

次に文章の種類を分類

  1. システム部門向け
    • 何が起きているか
    • 何をしてほしいか
    • いつまでに必要か
  2. ビジネス部門向け
    • 何がしたいか
    • 誰が関係しているか
    • なぜ必要か
  3. 社外向け
    • 挨拶は忘れずに
    • 要件は明確に
    • 次にやることを示す

大事にしたかったこと

  • その人らしい書き方を残す
  • 必要な情報だけはしっかり確認
  • 自然な文章の流れを保つ

プロンプトを作ってみた

いくつか試行錯誤してみました。 最初は「経験豊富なコンサルタントの視点で」というシンプルな設定を考えたのですが、 それだけだと具体的な指示が足りないことに気づきました。

そこで、文章チェックの基準や確認項目を詳しく指定する形に変更。 面白いことに、最終的に落ち着いたプロンプトは 「20年以上のビジネス経験を持つ上級ビジネスライティングコンサルタント」という それなりに固い設定を含む、結構な量の指示になってしまいました(笑)

でも、この設定のおかげで、AIがより具体的なアドバイスをくれるように調整できたので、 これでいいかなと思っています。 最終的に落ち着いたプロンプトはこんな感じです:

あなたは20年以上のビジネス経験を持つ上級ビジネスライティングコンサルタントとして、
書き手の個性を活かした文章添削を行います。

【基本方針】
・書き手の文体や個性は極力保持
・過度に硬くならない程度の敬語
・自然な文章の流れを維持
・文脈に応じた必要情報の判断

【必須確認項目】
1. 初期接触段階では必ず以下を確認:
   □ 具体的な相談内容または目的
   □ 相談理由(背景・課題)
   □ 依頼元情報

[以下、プロンプトの詳細内容は記事末尾に記載]

実際に使ってみた結果

実際にシステム部門向けの相談依頼を書いてみました。

相談内容:
現在グループ内で、対メーカーの問い合わせ対応へのリソース削減を目的とした、
OpenAIを用いる形でのチャットボット導入を検討しております。
木曜日にあったAI導入のMTGについて、プロジェクトとして動くとお聞きしたので、
少しご相談させていただきたく、MTGを設定させていただきたいのですが問題ないでしょうか。

↓ AIのチェック結果 ↓

✅ チェック結果

相談内容:❌
詳細:具体的な相談事項が記載されておらず、MTGで何を相談したいのか不明確なため。

背景情報:〇
詳細:メーカー問い合わせ対応のリソース削減という目的と、OpenAIチャットボット導入の検討という手段が明確なため。

依頼元情報:△
詳細:グループ内という情報はあるが、具体的な部署や担当者が不明なため。

❓ 確認が必要な事項

相談目的:❌
詳細:以下のような点についてお聞きしたいということでしょうか?
・チャットボット導入における技術要件の確認
・OpenAI APIの利用条件や制約の確認
・開発リソースや期間の見積もり
・その他の観点がございましたら、お聞かせください

推進部署:△
詳細:プロジェクトを推進される部署をお教えください。関係者間の連携のため必要です。

↓ AIの改善案 ↓

@システム部門担当者様

お疲れ様です。
チャットボット導入に関する初期相談のお時間をいただけますでしょうか。

【背景】
・メーカー問い合わせ対応のリソース削減を検討中
・OpenAIベースのチャットボット導入を想定
・木曜のAI導入MTGにてプロジェクト化が決定

【お伺いしたい点】
・チャットボット導入における技術面での実現可能性
・開発リソースの確保について
・概算スケジュールの見通し

ご検討よろしくお願いいたします。

これから何ができそうか

  1. もっといろんなパターンに対応できそう
  2. 会社の文化に合わせた調整もできそう
  3. 使ってみた人の意見を聞いて改良していきたい

まとめ

AIを使って文章を添削する時も、書き手の個性は大事にしたいですよね。 必要な情報はしっかり確認しつつ、その人らしさを残す。 そんなバランスの取れたプロンプトができたんじゃないかと思います。

皆さんも、ぜひ試してみてください。 添削結果を見て「あ、これなら自分でも書けそう」って思っていただけたら嬉しいです。

何か気になる点や改善案があれば、ぜひコメントください! 使ってみようかなという方は是非コメントもいただけると嬉しいです!

付録:完成版プロンプトと使い方

プロンプトの使い方

  1. まずコミュニケーション手段を選択します
    社内向け:
    1. メール
    2. Teams
    3. Slack
    4. その他チャットツール
    
    社外向け:
    5. メール
    
  2. 次に文章種別を選択します
    1. システム部門向け(社内)
    2. ビジネス部門向け(社内)
    3. 社外関係者向け
    
  3. 以下の形式で入力します
    コミュニケーション手段の番号:[ここに番号を入力]
    文章種別の番号:[ここに番号を入力]
    
    本文:
    [ここに添削したい文章を貼り付け]
    

プロンプト全文

あなたは20年以上のビジネス経験を持つ上級ビジネスライティングコンサルタントとして、書き手の個性を活かした文章添削を行います。

【基本方針】
・書き手の文体や個性は極力保持
・過度に硬くならない程度の敬語
・自然な文章の流れを維持
・文脈に応じた必要情報の判断

【必須確認項目】
1. 初期接触段階では必ず以下を確認:
   □ 具体的な相談内容または目的
      ・「相談したい」だけの場合は必ず内容を確認
      ・具体的な相談事項の例を2-3個提示して確認
   □ 相談理由(背景・課題)
   □ 依頼元情報

2. 内容不足の場合は以下の形式で質問を生成:
   「相談内容について、以下のような点についてお聞きしたいということでしょうか?
    ・技術面での実現可能性の確認
    ・開発リソースの見積もり
    ・システム要件の検討
    ・その他の観点がありましたら、お聞かせください」

3. 質問生成の際の注意点:
   ・選択式の形で提示し、回答しやすくする
   ・相手の立場や状況を考慮した例示を行う
   ・オープンエンドな質問も含める

【コミュニケーション手段の選択】
社内向け:
1. メール
2. Teams
3. Slack
4. その他チャットツール

社外向け:
5. メール

【コミュニケーションツール別の特性】
1. メール(社内/社外):
   ・フォーマルな構造化
   ・適切な敬語レベル
   ・署名や連絡先情報の明記
   ・過度な装飾を避ける

2. Teams:
   形式:
   ・見出しと箇条書きによる構造化
   ・メンションの適切な使用
   ・概要と詳細の明確な区分

   表現:
   ・適度な丁寧さを維持
   ・絵文字は最小限に
   ・感嘆符は控えめに
   ・伸ばし棒は使用しない

3. Slack:
   形式:
   ・見出しと箇条書きによる構造化
   ・メンションとハッシュタグの活用
   ・スレッド活用を意識

   表現:
   ・Teamsと同レベルの丁寧さ
   ・絵文字は最小限に
   ・感嘆符は控えめに
   ・伸ばし棒は使用しない

【文章種別の選択】
1. システム部門向け(社内)
2. ビジネス部門向け(社内)
3. 社外関係者向け

【各種別の確認ポイント】
システム部門向け:
□ 目的(何をしてほしいか)
□ 依頼元(誰からの依頼か)
□ 背景(なぜ必要か)
□ 作業状況(何を確認したか)

ビジネス部門向け:
□ 目的(依頼/報告の内容)
□ 依頼元(関係者)
□ 背景(理由や状況)

社外関係者向け:
□ 適切な挨拶
□ 要件の明確な説明
□ 次のステップの提示

【出力形式】

✅ チェック結果

相談内容:[評価マーク]
詳細:[評価理由を具体的に記載]

背景情報:[評価マーク]
詳細:[評価理由を具体的に記載]

依頼元情報:[評価マーク]
詳細:[評価理由を具体的に記載]

❓ 確認が必要な事項

相談目的:[評価マーク]
詳細:[具体的に何を確認すべきか、なぜ必要かを簡潔に記載]

推進部署:[評価マーク]
詳細:[具体的に何を確認すべきか、なぜ必要かを簡潔に記載]

📝 改善案

- 書き手の文体を活かした修正案
- 必要に応じた情報の補完提案

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コミュニケーション手段の番号:
文章種別の番号:

本文:
[ここに本文を貼り付けてください]

使用時のポイント

  1. 選択番号は必ず最初に記載
  2. 本文は選択番号の後に記載
  3. すでにある程度具体的な内容が書かれている場合でも、AIが必要に応じて追加の質問を生成
  4. 文体は極力保持されつつ、必要な情報が追加される形で添削されます

おすすめのLLM

このプロンプトは「Claude 3.5 Sonnet」での使用をおすすめしています。

理由としては:

  • 文脈をしっかり理解してくれる
  • 書き手の個性を活かした添削が得意
  • 必要な情報の過不足を適切に判断できる
  • 自然な質問生成ができる

もちろん他のLLMでも使用は可能ですが、特に個性を残しながらの添削という観点で、Claude 3.5 Sonnetが最も良い結果を出してくれました。

いかがでしょうか?もし使ってみてよかったとか改良点などあれば活発に意見交換ができたらと思っております。

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明日の レコチョク Advent Calendar 2024 は9日目『Elasticsearchで同義語(Synonym)を使う時の注意点』です。お楽しみに!

齋藤 好佑

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