AI活用の今を探る:EXPOレポート

AI, AI EXPO, イベントレポート, 生成AI

はじめに

2024年11月20日(水)~22日(金)にAI・人工知能EXPOが開催されるという情報を知り、他企業や他業種でどのようにAIが活用されているのか知りたいと思い参加しました。
非常に興味深かったので、ご紹介したいと思います。

開催概要

■ 開催日時
2024年11月20日(水)~22日(金)10:00~17:00

■ 時間
10:00~17:00

■ 会場
幕張メッセ 展示ホール4〜6

■ 主催
RX Japan株式会社

■来場者数
延べ約25,000人

入場まで

事前に来場登録が必要です。
カンファレンス参加には来場登録とは別に参加登録が必要です。
登録完了するとQRコードが発行されるのでスクリーンショットで残しておくと便利です。

京浜幕張駅から徒歩10分ほどで会場に到着します。以下に全体フロアマップを示します。
AI・人工知能EXPOの他にも複数のEXPOが同時開催されていました。
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入口を進むと100を超える企業のブースやカンファレンス会場の他、休憩スペースやワーキングスペース、出店が見られます。

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AI・人工知能EXPO EXPOの概要

主にカンファレンスブースと展示ブースの2つのブースで構成されています。

カンファレンスブース

各日1〜3つの1時間弱の講演が行われていました。

私は
「生成AI革命 – 経営リーダーが拓く価値創造の新境地」と
「ビジネスにおける生成AIの活きる使い方 ~生成AI活用の進まない企業へのヒント~」
の2つの講演に出席しました。

その中で「生成AI革命 – 経営リーダーが拓く価値創造の新境地」の講演についてレポートします。
登壇者は
(株)クレディセゾン 取締役(兼)専務執行役員CDO(兼)CTOの小野さん
ロート製薬(株)IT/AI推進室 IT/AI推進室長 の板橋さん
AI専門メディア「AINOW 」編集長/(株)Cinematorico Founder COOの小澤さん
の3名です。

講演会場には約600席の椅子が設けられていましたが、参加者が多く、公演中に椅子が増設されていました。
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講演内容で印象に残っていることや自社にも導入可能と思われる内容を以下に抜粋しました。
その他にもRAGの話やAIエージェントに関する情報が盛りだくさんの1時間でした。

  • 浮いた組織を作らないことが重要。あそこが全てやってくれると皆思ってしまう。
    → 特定の部門がAI/DXの推進を全部行うのではなく、各部門にリード役を立てボトムアップで進めることがモチベーションや主体性を上げる。

  • (株)クレディセゾンでは四半期に1度、「業務で活用しているプロンプト」をテーマにアイデアコンテストを実施。一部大手(例:日清食品、ソフトバンク)も同様の取り組みを展開。ソフトバンクは数千万をかけているとのこと。
    →参加率を上げるためにはslackのgeneralチャンネルを活用。

  • 経営陣に対してもAI活用のデモや体験を積極的にしていた。

  • 普段からイケイケで使用している人ではなく、あまり使用しなさそうな人が生成AIの活用に関してプレゼンすることで思わぬ気づきが生まれることがある。

  • 小さな成果を出し、それを積み重ねていくことが重要。

展示ブース

展示ブースでは各企業が訪問者を呼び込む熱意が感じられました。
ブースの前を通る度に居酒屋のキャッチのようにガンガン声をかけられます。
この雰囲気に慣れるまでに時間を要しました。
自社専用生成AIツールによる製品や営業、会議特化といったビジネス職向けのソリューションが多かった印象です。
特に印象に残った内容をご紹介します。

JITERA

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サービスサイト:https://jitera.com/
コード生成AIツールの一種ではあるのですが、一番の特徴はGithub上に存在する既存プロジェクトのデータを全て読み込んで、ER図やAPIの仕様書、ビジネスロジックの生成、テストコードまで作成してくれる点です。
私が担当しているプロジェクトは、諸々のドキュメントが不足しており仕様調査に多大な時間を費やしたり、仕様変更によるAPI仕様書の修正まで手が回らない状態がよく起こります。
このツールを導入することで多大な時間を節約できる可能性を感じました。

▼ビジネスロジック
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▼ API仕様書
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AIを活用したコードコンバージョン

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生成AIを活用してコードコンバージョンを実施するソリューションです。
具体的な利用シーンとしては、例えばObjective-Cで書かれた既存のコードをSwiftにリニューアルしたい場合などが考えられます。
このソリューションの核心は、コード変換指示プロンプトにあります。
コード変換に特化した特殊なプロンプトを使用することで、より効率的かつ正確な変換を実現しているとのことでした。このプロンプトの工夫によって、単に変換ツールとしてだけでなく、1つのサービスとしての価値を持たせている点が非常に興味深いです。
これは、プロンプトエンジニアリングの重要性と可能性を示唆するもので、プロンプトエンジニアが果たす役割の一端を垣間見ることができました。

番外編:生成AIパスポート

展示ブースの中でも一際大きなブースを構えていました。

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ここでは生成AIリテラシー診断を通じて自身の理解度が測定できる展示が行われていました。
この延長として生成AIパスポートが存在し、AIリスクを予防する資格試験として提供されています。
生成AIパスポートをとることで、生成AIに関する知識やスキルを有していることの証明になり、
プロンプトエンジニアとして意味のある資格になると感じました。

(以下、https://guga.or.jp/outline/ 内の抜粋です)
生成AIパスポートはAI初心者のために誕生した、生成AIリスクを予防する資格試験です。
AIを活用したコンテンツ生成の具体的な方法や事例に加え、企業のコンプライアンスに関わる個人情報保護、著作権侵害、商用利用可否といった注意点などを学ぶことができます。
本資格の提供を通じて生成AIリスキリングを促し、生成AIを安全に活用するためのリテラシーを有する企業・人材の可視化を推進しています。

最後に

全体を通じて、生成AI活用の進展に驚きと危機感を覚えました。
AIエージェント が話題となっており、プロンプトエンジニアの役割と重要性も再確認できました。
社内にプロンプトエンジニアがまだいないため、生成AIパスポートを取得しリテラシーを有したうえでプロンプトエンジニアを名乗れるように精進していこうと思います。

この記事を書いた人

はぜ
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