【2024年最新版】Chromeを使ったAndroid WebView ページのデバッグ

Android, Google Chrome

初めまして、普段Androidアプリを開発している杉山です。
Androidアプリを開発するうえでWebViewのデバッグが必要になるときがあると思います。今回はPCのChromeからDeveloper Toolsを使用してデバッグする方法を紹介したいと思います。
本記事は以前レコチョクが紹介したChromeを使ったAndroid WebViewページのデバッグの内容を2024年の最新版にアップデートする形で書かせていただきます。
※今回紹介する機能は、デバッグ向けの機能であるためリリースアプリは適応しないようにしてください。

環境

  • PC
    • MacOS Sonoma(14.5)
    • Chrome(バージョン:129.0.6668.59)
  • Androidデバイス
  • IDE
    • Android Studio Koala | 2024.1.1 Patch 1

1) WebViewのサンプルアプリを準備します。

AndroidManifest.xml

AndroidManifest.xml にはインターネット接続の許可するパーミッション android.permission.INTERNET を追加しておきます。

WebViewに関してはxmlを用いる方法とComposeを用いる方法の2パターンで紹介します。以降のデモはComposeの方のサンプルアプリで行います。

xmlの場合

activity_main.xml

今回はWebView表示のサンプルアプリであるため、簡単な追加にしています。

MainActivity.kt

WebViewを呼び出すには以下の2行をインポートします。

またデバッグをするために、以下の設定を追加します。
この設定を有効にしないとChromeでデバッグをすることができません。(アプリの minSdkが19以上であれば条件文は必要ありません)

表示対象URLを loadUrlに記述します。
サンプルは「レコチョク」のコーポレートサイトにしています。

まとめると以下のようになります。

Composeの場合

MainActivity.kt

Composeの場合でもWebViewに必要なインポートは変わりません。
ただしWebViewを表示するために、以下のように AndroidViewを使う必要があります。

まとめると以下のようになります。

2) Android端末を使用してUSBデバッグを行う

検証する端末をPCに接続し、サンプルアプリをビルド実行すると、WebViewで「レコチョク」のコーポレートサイトが表示されました。

sampleApp

PCでChromeを起動して「chrome://inspect」へアクセスすると、デバッグが有効なデバイスとWebViewのリストが表示されます。
※以前の記事紹介した「検証 > remote devices」からのアクセス方法は2019年に削除されてしまったようです。
リストが表示されたら、接続している端末の検証したいWebViewを探してください。
今回は下の画像にある赤線の部分が検証したいWebViewになります。
そして、赤枠で囲った「inspect」をクリックするとDeveloper Toolsを別ウィンドウで表示してくれます。
※本記事ではPixel 7aで検証していますが、実際は各環境で接続している端末の検証したいWebViewの「inspect」をクリックしてください。

DevTools

クリックすると、端末に表示されているWebViewの画面が、PCにスクリーンキャストされます。
これでAndroidデバイスで表示されているWebViewをPCからデバッグすることが可能になります。

PixelWebView

エラーがあると以下のように警告が表示されます。

error

Chrome Developer Tools の機能についてはこちらを参考にしてください。

最後に

ChromeのDeveloper ToolsはPCサイトのデバッグによく利用されることが多いですが、Android端末とPCを接続することで、Android端末のWebViewのデバッグ作業も簡単に行えるようになります。
どちらもGoogleによって開発されているものなので、6年経った今でも変わらずデバッグが行えるようです。(導線が減ってしまったことは少し悲しいですが、、、)
是非活用してみてはいかがでしょうか?